
| ● 日本人観光客と在ジャマイカ邦人 |
ハネムーナーの訪ジャマイカが盛んだった頃は、ジャマイカのビーチや高級ホテルには日本人の姿がとにかく多かった。モンテゴベイにあるボトムロードと呼ばれる観光通りには日本人の姿ばかり。中でも関西からやって来た人がとても多かったように私は感じていた。ビーチで寝転がっていると頭の方から聞こえてくる日本語が圧倒的に関西弁だったからだ。 「なあ、つぎ何する?」 「何でもええでぇー」 カリビアンブルーの真っ青なジャマイカの海と、関西弁のイントネーションが妙にマッチしていた。 日本でもレゲエは東京よりも大阪の方が盛んだと聞くから、ジャマイカのにおいは関西の人に受け入れやすいのかも知れない。 さて、1989年には3千人だった日本人観光客が1995年には2万3千人以上とその数は鰻登りだったそうだ。私もこの鰻登りシーズンにジャマイカと出会った組である。当時、私が働いていたハーフムーンという、ジャマイカで最も大きなホテルの客室の30%を日本人が占めていたらしい。しかしそれ以降は下降線を辿り、現在は年間1万人を割り込んでいる。ちなみにハーフムーンの日本人占拠率は数パーセントにまで落ち込んでいるそうだ。 それでもレゲエ好きの若者の多くは今なおキングストンを頻繁に訪れているし、リピーターも決して少なくない。ジャマイカが今なお、ハマル人にはハマル国であることは間違いない。また、8月に行われるサンフェスというレゲエのお祭りシーズンになるとやはり日本人がかなり増える。 95年周辺に訪れた日本人観光客の多くがハネームーナーだったせいもあって、ジャマイカ人は日本人があまりにも金持ちだと思い込み過ぎている。もちろん世界中の比較的貧しい観光地の人々の多くがそう思っている傾向があるのだから仕方がないのかもしれないが、いずれにせよ、当時に比べると今ジャマイカを訪れる日本人の所持金は日本人観光客の数同様、下降線を辿っていると言える。ハネムーナーと違ってリピーターの財布の紐は硬いし、法外な値段を吹っかけて来るジャマイカ人にはうんざりさせられる。これを機に、ジャマイカ人の対日本人意識改革が少しでも良いからなされればと願っている。 さて、ジャマイカに腰を据えてしまった邦人の数(長期滞在者及び永住者)は届け出を出しているだけで約140名。ジャマイカ政府はオーバーステイにルーズなところがあるので実際はそれ以上いると推定される。140名という数を少ないと見るか多いと見るかは疑問の残るところだが、たった秋田県ほどの大きさの国に、しかもこれだけ日本から離れたあんなに小さな島に、これだけの日本人がいるのかと思うと何だか凄い様な気もしてくるのだ。 |
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| ● 日本とジャマイカの関係 |
日本はジャマイカに対して資金協力、技術協力を含めこれまでに600億円規模の経済援助を行っている。海外青年協力隊も89年から派遣されているし、医療や保険、行政などの分野での技術協力も行われているらしい。そういえば、私が働いていたモンテゴベイの日本食レストランに、ジャマイカのものすごい田舎町に住んでいるという日本人のお医者さんがやって来たり、ダウンタウンの工事現場にどう見ても日本人の青年が働いていたりして、驚いたことがあった。観光客とはまた違って、ジャマイカ人にまみれて生活している日本人を思いがけず見つけると、嬉しいものがある(愛国心というものは、大なり小なり人の心にきちんと宿るらしい)。 また、日本政府を通じて、ジャマイカに愛の手を差し伸べはるばるやって来てくれる優秀な日本人の存在はジャマイカ好きとしては本当に有難い。ジャマイカの経済や政治、その他、日本人の力で少しでも向上できればこんなに嬉しいことはない。 さて、1996年、神戸にジャマイカの名誉領事館が建てられると日本とジャマイカとの関係は一気に深まりを見せる。97年には秋篠宮妃殿下もジャマイカを訪問されているし、その後もジャマイカの外相や首相が日本を訪れ、日本側からも産業大臣などがジャマイカを訪れている。 それから日本とジャマイカ間における貿易について。ジャマイカから日本へは世界最高級といわれるブルーマウンテンコーヒーの8割を輸出しているのをはじめ、ラム酒などの酒類も加わり額にして年間30億円以上というデータが出ている。ちなみにジャマイカのラム酒を日本で飲んでみたら、とても薄くて正直言ってまずかった。私はジャマイカのおいしいラムを是非そのままの味で日本へ輸出して欲しい。特にAPPLETONとラムクリーム。これが日本で味わえたら、少しはジャマイカを恋焦がれずに済むはず。 日本からは自動車をはじめ機械類、年間130億円の取り引きだそうだ。ジャマイカ人の日本車好きは半端じゃない。中でもTOYOTAカローラの普及率は群を抜いている(ほとんどが中古車)し、三菱やホンダも人気が高い。相変わらず健在なRADAカーを除けば、ジャマイカで見る車のほとんどが日本車だと言っても過言ではない。 というわけで、観光客は減少しつつあるものの、ジャマイカにブルーマウンテンがあって、日本にTOYOTAカローラがある限り、日・ジャマイカ間の関係は続くわけだ。また、ジャマイカにレゲエがあって、日本にレゲエファンがいる限り、この関係は消えるはずがないのだ。 |
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